南シナ海の南沙諸島で中国が岩礁の埋め立てを進めている。他国の領有権主張などどこ吹く風で、中国の外相は米国の外相(国務長官)に対し、「国際法と歴史に鑑みて、南シナ海は中国のものだ」と言い切った。オバマ大統領も完全になめられたものである。
安全保障法制の平和安全法制整備法案は、中国と北朝鮮の明確な脅威に対して抑止力を高めることが最大の狙いで、米軍が命をかけて日本を守るという日米安保条約の義務を果たすためには、日本は基地や施設の提供だけでなく、現行憲法下で条約の片務性を解消しなければならない。
そのための集団的自衛権は、米軍が日本の存立に関係のない戦争で攻撃を受けたときの話ではない。あくまでも日本を守るために戦う米軍が武力攻撃を受けた際、看過すれば日本の存立が危うくなるとの判断のうえの自衛の措置に限定。国際平和支援法案も、外国軍への後方支援は国連安保理決議を前提に、現に戦闘が行われている現場以外での活動に限定される。これが違憲か合憲か、さらに違憲ならやめるべきか、改憲すべきか。
先日、煙樹ケ浜に止めた車の中で月村了衛の「土漠の花」を読み終え、ふと海を見ると陸上自衛隊の水際地雷敷設訓練が行われていた。青空の下、海岸はジョギングや釣り、犬の散歩の人が行きかい、訓練海域の真上にはパラグライダーが気持ちよさそうに浮かんでいた。凄絶な物語の余韻のなか、目の前の現実に一瞬、めまいがした。
日本人にとって、南沙諸島の侵略はまだまだ遠い国の話なのか。尖閣諸島で中国と対立する日本の国民は「明日は我が身」。国会議員もマスコミも、百田尚樹と若手議員の発言に騒いでいる暇はない。 (静)

