日高町高家出身で、現在は高校サッカーの強豪・興國高校(大阪市天王寺区)に所属している塩崎悠司選手(1年生)が、U―16(16歳以下)サッカー日本代表に初めて招集された。24日に開幕した「U―16インターナショナルドリームカップ2015」の初戦、コスタリカ戦に守りの要・センターバックとして後半途中から出場し、堅実なプレーを見せ7―0での勝利に貢献。地元サッカー関係者も「日本代表なんてすごい」と興奮している。
 塩崎選手は幼稚園年長から御坊市のエストラッサ湯川でサッカーを始め、小学校卒業まで6年以上所属し、センターバックとして活躍。日高中学校に通いながら、田辺市に拠点を置くサッカーのクラブチーム「カナリーニョFC」で3年間鍛錬を積んだ。高校は、大阪の強豪校の一つ興國高校に進学していた。
 U―16日本代表は、将来の日本サッカーを担う精鋭18人で構成。塩崎選手は初めから招集されていたわけではなく、転機が訪れたのは24日から開幕するインターナショナルドリームカップ前日の23日だった。日本代表は大会の会場となる大阪で調整し、23日午前中には興國高校と練習試合が行われた。そこで興國のセンターバックとして塩崎選手が持ち前の身体能力の高さを発揮。日本代表メンバーの一人が体調不良で急きょ離脱することになり、練習試合で日本代表スタッフの目に留まっていた塩崎選手が大会前日の夕方、電撃の追加招集が決まった。
 24日午後からJ―GREEN堺で行われたコスタリカ代表との開幕戦、いきなり塩崎選手に出場機会が与えられた。4―0で優位に進めていた後半15分、この日最後の交代要員(3人目)として塩崎選手がピッチに入り、日本代表デビュー。前日に合流したとは思えない堅実なプレーで相手に決定的な攻撃機会を与えず、日本のコーナーキックでは身長183㌢の恵まれた体格を生かし、ゴール前に上がって攻撃参加するなど積極的なプレーが光り、7―0での勝利に大きく貢献した。
 スタジアムで観戦した小学生時代の恩師、エストラッサ湯川の藤田潔監督は「湯川のセンターバックだった悠司が日本代表のセンターバックを堂々とこなしていることに感動した。堅実なプレーでビッグチャンスをつかんだと思う。試合後、本人は『緊張した』といっていました」と感慨深げで、「小学生のころから人一倍負けん気が強かった。身体能力はもちろんリーダーシップも取れる選手で、このまま日本代表のスタメンを勝ち取って、さらに上を目指してほしい」と期待を込めた。母の恵美子さん(47)は「いいチャンスをいただいたので、次につなげてほしい」と愛息にエールを送っている。
 日本代表は26日に同じくJ―GREEN堺でチリ代表、28日には大阪キンチョウスタジアムでフランス代表と対戦する。