地域の活性化に取り組む有志の会「御坊・日高わいわい会議」(岡本恒男世話人)が、日高平野で収穫した米を使って製造していた日本酒が完成し、7月1日から一般に販売することが決まった。透明感のあるすっきりとした味わいで、商品名は「日高桜」。地元の酒店や料理店、土産物店などに置いてもらうことにしており、地域の新たなブランド、地元ならではの土産物として注目されそうだ。
活気のあるまちづくりを目指そうと、まざまざな職種の有志が集まって昨年1月に御坊・日高わいわい会議を発足。メンバーから「地元の米を使ったお酒を造りたい」との声が上がり、和高専物質工学科の楠部真崇准教授も加わって地酒造りに取り組むことにした。酒造メーカーのアドバイスを受け、同会議メンバーが所有する美浜町和田の田んぼで昨年、米の品種「日本晴」を栽培し、秋に収穫。地元に酒造メーカーがないことから海南市の名手酒造に依頼し、今回、初めて100%日高平野で収穫した米で純米酒を完成させた。
18日に御坊商工会館で岡本世話人、メンバーの金崎昭仁さん(日高町原谷)、楠部准教授らが出席して発表した。岡本世話人によると、「日高平野を駆け抜けるそよ風のように透明感のあるすっきりとした仕上がりになりました。甘口でも辛口でもなく、まろやかさがあります」と味に太鼓判。一升瓶(1・8㍑)と四合瓶(720㍉㍑)を500本ずつと、限定品として火入れ(熱処理)していない生酒原酒も60本(一升瓶)製造。値段は標準価格で一升瓶2100円、生酒一升瓶2380円、四合瓶1180円(いずれも税抜き)。これとは別に、道成寺で採取した酵母を使った、まさに100%地元産の日本酒の製造にも挑戦していく。
今後は御坊市内の酒店を中心に料理店や土産物店にチラシを配るなどしてPRし、販売してもらう。日高広域観光振興協議会の会長も務める金崎さんは「地元の新しい土産として、観光客の皆さんにもに喜んでもらえれば」と期待を込め、岡本世話人は「ふるさとの魅力の再発見にもなると思います。みんな仲間とおいしい地酒を飲んで、楽しいひとときを過ごしてほしい」と話している。問い合わせは岡本世話人℡0738-23-1633。