「国土強靭化海を渡る」をテーマに自民党政策集団「志帥会」(会長・二階俊博代議士)の講演会とパーティーが5日、東京都のホテルニューオータニで開かれ、政財界から会場を埋め尽くす約5000人が参加。ドイツで行われるG7サミット出発前の安倍晋三首相も姿を見せ、「二階総務会長とともに国民のために政策を前へ進める」と力を込め、二階会長は「実行の政治で国民の期待に応える」と決意を新たにした。
 第1部の講演会の途中、サミット出発前にサプライズとして安倍首相が登場すると、大きな拍手が湧き起こった。安倍首相は「二階会長をはじめ志帥会には安倍政権の屋台骨を支えていただいている」と感謝。山積する課題に立ち向かう決意を示した上で、「さまざまな課題を抱えているからこそ、改革が必要。議論になっている安全保障法制もまさに国民の命と幸せな生活を守るためのもの。日本を取り巻く安全保障環境が厳しくなっている中、何もしないでは政治の責任を放棄することと同じ。行動を起こせば批判がつきまとうが、たじろがず皆さんの理解を得ながら政策を前に進めていく」と決意を示した。11月5日を津波の日にすることについても触れ「一人でも命が救われるような世界にするため、国連の総会で制定されるように努力していきたい」と声を大にした。
 続いての第2部では、二階会長が全国から集まった参加者に感謝した上で、「安倍首相がいわれていたように、日本をよくするために、みんなで頑張ろうではありませんか」と一致団結を求めると、「そうだ、そうだ」の声が湧き起こった。「一握りの政治に直接携わっている者がなんだかんだいっても、それだけでは国はよくならない。多くの国民の支援、後押しがなければいい政治にはならない。国をよくするのは、孫やさらに次の世代をよくすることになる。政治に対していろんな批判はあるが、いうのは簡単、政治は実行なんです。志帥会は皆さんの支援やご恩に応えていくため、一歩一歩着実に歩んでいく。多くの皆さんの思いを胸に刻んで明日からの国政に頑張っていく」と決意をにじませた。
 あいさつに立ったメンバーもそうそうたる顔ぶれ。谷垣禎一幹事長は「二階会長の実行力は本当にすごい」、岸田文雄外務大臣も「韓国や中国を訪問し、日本の外交を補いリードしてくれている」と感謝した。政治評論家の森田実さん、歌手の杉良太郎さんらもマイクを握ったあと、前会長の伊吹文明顧問が「志帥会は足りないところを互いに補い、助け合って政治家としていかに進むかを研さんする集団。二階会長を中心に国民、国家のために頑張ってまいります」とあらためて決意を表明した。乾杯したあと二階会長は参加者からの握手に笑顔で応えていた。
 第1部の講演会では、元ゴールドマン・サックス金融調査室長で小西美術工藝社のデービッド・アトキンソン氏が「外国人観光客8200万人の実現」、作家の大下英治氏が「稲むらの火と大賀蓮」でそれぞれ講演した。