「みなべ・田辺梅システム」で世界農業遺産登録を目指すみなべ町と田辺市で21・22日、認定機関の国連食糧農業機関(FAO)が現地視察を実施。初日は同町の紀州南部ロイヤルホテルで歓迎セレモニーが行われ、3人の調査員に県内産を食材とした料理を振る舞い、炭琴、よさこい踊り、太鼓の舞台でもてなした。
 訪れた調査担当者は阿部健一氏(総合地球環境学研究所研究高度化支援センター教授)、ダニエル・ナイルズ氏(同所研究推進戦略センター准教授)=アメリカ=、ヴァファダーリ・カゼム氏(立命館アジア太平洋大学准教授)=イラン=の3人。石神梅林(田辺市)、秋津川ガルテン(同)などを見て回り、初日の調査が終了したあと、セレモニーで歓迎を受けた。テーブルには県内産の梅やうめどり、イノブタ、ウスイやインゲンなどの食材を使った料理がずらりと並んだ。
 開会に当たってみなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会長の小谷芳正町長が「地元住民から十分に話を聞いてもらい、協議会の心意気を汲み取ってもらいたい。400年前から栽培されている梅や1200年前から続けられている備長炭の技法を子や孫に伝えていくためのを努力をしていきたい」とあいさつし、下宏副知事も「この地域は有数の梅の生産地で、全国の50%を占めている。梅は日本食にとってなくてはならい食材。梅の機能性についても医学的に証明されている」などとアピールした。調査員を代表して阿部氏が「世界農業遺産は建物や文化をそのままの形で残すユネスコの世界遺産と違い、良い方向にどんどんと変えていくことが大事。しかし、変えてはならない部分があり、それをこの地で考えてみると、決して豊かでなかった土地を使って大事に作物をつくってきた人々の心意気ではないか」と述べた。
 舞台発表では秋津川炭琴サークルが炭琴、プラリズムがよさこい踊り、北道王子太鼓が太鼓演奏を披露した。審査員の中には炭琴に興味を示し、演奏終了後に舞台に上がって実際にばちでたたく姿もみられた。