環境保全など目的に県が進めている企業の森事業で、外食・ホテル事業等の㈱本家さぬきや(平野誠代表取締役社長、本社泉大津市)が8日、日高川町姉子地内の山林で森づくりをスタートした。小雨の降るなか、平野譲会長、誠社長をはじめ、社員ら約30人が苗木を植栽。同社は日高川町の公的観光施設の管理・運営を行っている企業で地域への感謝の気持ちを込めて森づくりに励んだ。
 初の活動となったこの日、山林近くの県道脇でセレモニーが行われ、日高川町出身の譲会長は「微力ですが、森づくりを通して素晴らしい日高川町に恩返しをしていきたい」とあいさつ。森を管理する地元中津村森林組合の柏木一夫組合長は「企業の森事業に参画していただき感謝しています」とお礼を述べた。このあと山林に移動し活動開始。まず譲会長、誠社長が看板を除幕し、ヤマザクラの苗木を記念植樹。社員らはヤマザクラとコナラの苗木約130本を植栽し、クワを手に成長を願いながら丁寧に植えつけた。
 さぬきやは今春から10年間にわたって「感謝の森」と名付けた0・37㌶の山林で森林保全活動を実施。コナラやヤマザクラ、ケヤキ、シバグリなど広葉樹600本を植栽し森づくりを進める。今後、社員は植栽や下草刈りなど行い、日ごろの管理は中津村森林組合に委託する。
 県内全体の企業の森事業への参加は65団体、活動場所は67カ所。日高川町にはさぬきやほか、ユニチカ労働組合、連合和歌山、セイカグループ、紀陽銀行、東洋紡、県宅地建物取引業協会、三井住友信託銀行、JA共済連和歌山、本州化学工業、丸紀木材工業の11事業所が参画している。