統一地方選のことし、日高地方では1月の御坊市議選を皮切りに、美浜町ダブル選、日高町議選、由良町議選、そして今月3日告示の県議選で予定されている選挙が終了した。中には無投票の選挙もあったが、個人的には選挙戦が必要だと考えている。4年に一度の審判であり、有権者の声を一層反映しやすくする機会にもなるからだ。
 だから、無投票になるかもしれない選挙に出馬しようか、という人には一定の敬意を表したい。ただ、最後の最後まで出馬するかどうかの態度をはっきりさせないような場合はいかがなものかと思う。しかも結局は不出馬。支援を考えていた人もいるかもしれないのに、何の意思表明も説明もしないのは、有権者に対して非常に失礼な話である。そもそも、政治家には決断力が求められるが、優柔不断な態度で務まるのかどうか、はなはだ疑問である。あと、新聞は読者、ひいては有権者の声の代弁であると自負している。つまり、記者がする質問は、有権者の疑問や知りたいことでもあると、付け加えておきたい。
 今回、一連の選挙で無投票だったのは由良町議選と県議選。特に県議選は郡部が4期連続、市部では通算7度目の無投票。確かに有権者の一部からは「結構なもの」「選挙すべき」との根強い声が聞こえてくる。しかし、ここまで無投票を積み重ねる背景には、各候補者が有権者から絶大な信任を受けていることがある。また、地元御坊市の二階俊博代議士をリーダーに一致団結している証でもある。ただ半面、全国的に募る政治への不信感という問題もある。各議員には無投票であるがゆえの責任の重さを自覚して、一層の活躍を期待したい。 (吉)