御坊市は、新年度から65歳以上の市民が行う介護ボランティアに応じた評価ポイントの換金制度導入を目指していく。ボランティアの必要性が高まる中、元気な高齢者らのパワーをボランティアに活用し、実質的な介護保険料の負担軽減などにつなげてもらうのが目的。担当課では、「関係機関と協議しながら平成29年度までに制度をつくりたい」と話している。
 現在、市内では65歳以上の人が約7000人おり、うち介護認定を受けているのは2割程度で、残りの多くの人が元気な高齢者となっている。換金制度で想定しているボランティアの内容は、老人ホームでの介助や各家庭での外出・買い物援助、草刈りなどの生活支援等。参加するごとにポイントがもらえ、一定数貯まれば換金してもらえる仕組み。介護認定を受けていない高齢者にとっては、保険料がいわば掛け捨てになっている現状の中、ボランティアの評価に応じて換金してもらえることで介護保険料が還元される。また、ボランティア活動を通して定年退職後のセカンドライフの生きがいづくりにも役立ててもらう。同様の制度は国内では東京都稲城市が先進地で、5000ポイント貯めれば5000円に換金している。
 健康福祉課では「換金制度の導入は第6期介護保険事業計画(27~29年度)に盛り込んでおり、初年度はどう事業を組み立てていくか関係機関と協議、2年目は必要なツールや人的なものを整理、3年目で制度設計を行いたい。実際に導入できるのは30年度からになると思う」と話している。また、現在ボランティアで運営している地域デイケアサロンやシルバー人材センターとの整合性やすみ分けについても検討する必要があるとしている。