30日夜、美浜町和田の住宅地で火事があり、木造2階建ての民家が全焼した。燃えた家の所有者は大阪在住で、普段は空き家になっているが、この日は所有者の男性が家の換気のために訪れ、本人は夕食準備で天ぷら鍋に火をかけ、台所を離れた隙に火が出たと話しているという。幸いけが人はなく、風もなかったため隣接民家への大きな類焼もなかったが、現場周辺は一時、野次馬が集まり騒然となった。
 現場は和田西中の下ノ池近く、日高町小池方面へ続く県道から西側へ入った小高い住宅地にある無職前田公義さん(65)宅。午後7時25分ごろ、近くを車で通りかかった女性が火事に気づいて消防と警察に通報、日高広域消防と町消防団全分団から計約100人が出動し、発生から約1時間10分後の8時34分に鎮圧した。
 この火事で、木造スレートぶき2階建ての前田さん宅(約135平方㍍)は全焼。前田さんにけがはなく、家の北側と東側に茂る竹や雑木に火が燃え移ったものの、風がなかったことなどから延焼拡大はなく、南側に隣接する民家も雨どいが溶けた程度で大きな類焼はなかった。
 近所の人らによると、前田さんの実家は大阪市内にあり、燃えたのは以前、両親が大阪から引っ越して住んでいた家。建てられたのは20年以上前で、10年以上前に両親が大阪に戻ってからは空き家となっており、年に数回、前田さんが家の換気や掃除のために訪れていた。
 御坊署の調べでは、前田さんはこの日もいつものように1人で訪れ、火事の直前には台所で料理をしようと天ぷら鍋を火にかけ、家の中でしばらく台所を離れた隙に火事になったと話しているという。御坊署が出火原因等を詳しく調べている。