医療の高い専門性を持ち、チーム医療の推進に貢献した人をたたえる県の医療従事功労者賞の受賞者が決まり、ことしは県全体で管理栄養士や理学療法士ら9人が受賞。日高地方関係では、和歌山市の済生会和歌山病院で診療技術部長を務める薬剤師の丸山秀夫氏(61)=御坊市湯川町丸山=が選ばれた。薬剤師や放射線技師の専門家集団のトップとして、医師や看護師らとスクラムを組むチーム医療の推進に尽力。18日午後2時から県庁正庁で表彰式が行われる。
 丸山氏は昭和51年3月、昭和大学薬学部を卒業し、同年、薬剤師の国家試験に合格して済生会和歌山病院に就職。平成19年には薬剤部長、翌年からは診療技術部長に就任し、現在は薬剤部長、栄養科技師長を兼任している。その間、日本糖尿病指導士、NST(栄養サポート)専門薬剤師、和歌山地域糖尿病療養指導士など多くの認定資格を取得。平成11年から25年までは県病院薬剤師会の副会長を務め、主に学術委員長として研修・学術大会の企画や近畿6府県病院薬剤師会との連携に力を注いだ。
 済生会和歌山病院には診療部、看護部、事務部、診療技術部の4部門があり、診療技術部は薬剤部、放射線科、臨床検査科、リハビリテーション科、栄養管理科、臨床工学科の6部署からなる専門家集団。丸山氏はこの診療技術部のトップとして医師や看護師ら他の部門と連携し、各分野の専門スタッフがスクラムを組む「糖尿病ケア」や「栄養サポート」「感染制御」などのチーム医療の充実強化に取り組んでいる。
 今回の表彰は、チーム医療の推進に大きな功績を挙げた医師や看護職員以外の医療従事者が対象。丸山氏は「このような賞をいただくとは夢にも思っておらず、びっくりしました。医療の現場はどうしてもミスが起こりますが、日々ある小さなミスを氷山の一角ととらえ、その原因を徹底的に追究することが大きな医療事故の防止につながると考えています。これからも、患者さんが一日も早く回復することを第一に、チーム医療の強化に頑張っていきたいです」と話している。