大ヒット映画「永遠の0」や「ALWAYS 三丁目の夕日」などの作品で知られる映画監督の山崎貴氏。中学時代の文化祭でSF映画を制作、上映したところ、大勢の生徒たちに観てもらい、「我が最高の日。みんなに拍手をもらえたことが本当にうれしかった」と映画制作に感動を覚えた。映画監督の中にはヒットにはこだわらず作品づくりにだけ熱を入れる人も少なくないようだが、山崎監督は「業界一、興行成績を気にする監督」。「作品をつくることがゴールではなく、多くの人に観てもらってこそ意味がある」と、かけがえのない体験から学んだことを胸にメガホンを取っているという。
 「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助氏が創業したPanasonic。松下氏が制定して以来、「生産・販売活動を通じて社会生活の改善と向上を図り、世界文化の進展に寄与すること」を経営理念としている。いかに社会の役に立てるかをゴールに事業を推進。いまも世界的な企業として存続している。
 人や仕事によってゴールはさまざまだと思うが、どんなゴールに向かって物事に当たるかで結果や社会的評価は変わってくるように思う。映画監督の場合、結局観客が来なければ「みんなに拍手をもらえた」という感動体験を味わうことはできない。企業では莫大な利益を上げても社会的貢献度が低ければ信頼を得られず、繁栄は長続きしない可能性が高くなるだろう。
 年末から続いた選挙もひと段落。当選した政治家の皆さんにはゴールを再確認してもらいたい。選挙の勝利ではなく、住民の福祉向上であると。本来のゴールへ向かっても選挙中のような必死の活動ができれば多くの人から支持、信頼を得られるはずである。      (賀)