県教育委員会が県指定文化財の審議を行い、新たに美術工芸品など5件、史跡など2件を追加指定した。日高地方関係では、既報のみなべ町沖のオオカワリギンチャク生息地(天然記念物)と、日高町萩原の内原王子神社境内にある高家王子跡(記念物・史跡)の2件。高家王子は昭和33年の指定で拝殿や鳥居など主要部分が指定地から外れていることが分かり、あらためて境内全体を追加指定した。
 県教委は今回、新規で5件、追加で2件を指定したほか、重要文化財の指定を受けたことを理由とする広川町の濱口家住宅など2件の指定を解除、1件の名称を変更。日高地方関係のみなべ町沖のオオカワリギンチャク生息地は新規、日高町の高家王子跡は追加指定となった。
 オオカワリギンチャクは平成16年に公表された新種。分布域は日本の太平洋沿岸のうち、みなべ沖から伊豆大島周辺にかけてとみられ、これまで生息地として確認されたのは数カ所だけ。なかでも、みなべ町沖は唯一の群生地として確認された海域で、岩礁で群生する様子は花畑のように、特異で神秘的な景観を見せるという。
 内原王子神社の高家王子跡は、紀伊路と深い関係を持ち、現在地には移転伝承があるものの、近世以降の熊野参詣の要所として現在までその歴史を伝えている。昭和33年には県指定文化財の指定を受けたが、指定された番地では本殿や拝殿、社叢など主要部分は外れていることが近年の調査で判明。今回、本殿や拝殿、鳥居の所在場所を追加指定し、境内一帯を史跡として保護することになった。
 県教委文化遺産課によると、高家王子跡は戦前の文化財指定では境内全体が指定されていたが、県の文化財保護条例に基づく昭和33年の指定では、「どういう理由か分からないが、境内の横にある社務所の部分しか指定されていなかった」という。