20日午前4時半ごろ、串本町沖で操業を予定していた紀州日高漁業協同組合の一本釣り漁船「恵丸」の船長、前田恵一さん(54)=御坊市=と連絡が取れなくなったが、約13時間後の午後5時15分ごろ、転覆した船から無事救出された。
 前田さんは午前2時半ごろに串本港を出港し串本沖合へ向かったが、午前4時半ごろ潮岬から南南東16㌔の沖で仲間の漁船と漁業無線で連絡したのを最後に無線、携帯電話にも応答がなくなった。紀州日高漁協から連絡を受けた串本海上保安署は巡視艇や関西空港海上保安航空基地所属のヘリコプターを出動させ捜索。午後5時15分ごろ、捜索していた僚船が潮岬から南南東約90㌔の海上で、転覆して浮かんだ恵丸の船底に座っていた前田さんを発見。南和歌山医療センターに搬送されたが、意識はしっかりしているという。
 前田さんによると、午前5時ごろ、潮岬の南約30㌔を航行中に船底部に衝撃を受け転覆。恵丸のレーダーには接近する船影はなく、串本海上保安署では海中に漂う何かに衝突したとみて調べを進めている。