自民党総務会長の二階俊博代議士が率いる日韓国交正常化50周年友好交流ツアーが去る14日から16日までの3日間、ソウル市内で行われ、同行取材した。
 ツアーには観光関係者や一般旅行客ら1400人が参加。韓国側から「50年の歴史で最高の贈り物」と称賛され、大歓迎された様子を見ると、日韓観光交流への大きな成果となったと言えるだろう。また、都会化された街中を見る限り、反日を感じるような場面はなく、治安もよかった。大使館前だけは反日デモがあるそうだが、日本でもさまざまなデモがあるように、一部の人が騒いでいるだけのように感じた。現地の人の中には「日本と仲良くできるなら竹島はいらない」と漏らす人もいた。そこで「いらないも何も竹島は元から日本の領土」と反論する人もいるだろうが、そういうことを言わず「日本と仲良くしたい」という気持ちを大切にしてあげればいいと思う。日本国民の中には、情報が錯綜して感情的になっている人もいるが、現在の韓国に足を運んで目で見て、肌で感じたのだろうか。
 二階代議士の訪韓では朴槿惠(パク・クネ)大統領と会談した意義も大きい。従軍慰安婦や産経新聞前ソウル支局長の問題にも言及しており、解決できるのかどうかは別にして、冷え込んだ関係の中で踏み込んでいったのは立派。そもそもこの時期に会談が実現したことに感心する。実は二階代議士は朴大統領が国会議員の時から雑賀鉄砲隊の縁で交流があったからで、持ち前の幅広い人脈がここでも生かされた。
 確かに日韓関係の改善には両国首脳会談の実現が前提。今回の訪韓の目的は観光交流促進だが、このきっかけを無駄にすることなく安倍晋三総理には前向きに取り組んでほしい。 (吉)