現職森下誠史候補(59)=三尾=と新人の谷進介候補(56)=三尾=が激しいマッチレースを展開している美浜町長選は中盤から終盤へ。厳しい寒さのなか、両候補は連日早朝からの辻立ちに始まり、選挙カーでの街宣、街頭演説などが続いており、陣営も持てる人脈を総動員して票獲得に必死の戦い。5日間の短期決戦は残すところきょう6日を含めて2日。これまでの手応え、今後の戦略、候補者の魅力などをそれぞれの参謀に聞いた。 

森下陣営・福田後援会長

20150206森下陣営.jpg 森下陣営で指揮をとるのは、前回と同じく福田秋後援会長(74)。元警察官という立場から、激しい戦いのなか公選法に触れる違反や過失がないよう自陣に厳しく目を配りながら、戦略は正々堂々、相手の批判はせず、候補者本人も愚直に自身の公約アピールに徹している。国会議員や県会議員の支援はまったくなし。前回同様、「選挙の素人ばかりの草の根運動です」という。

 告示後は「若い世代は弱いが、中高年より上、とくに高齢者の反応がいい」と感じており、「ここにきてようやく相手の肩に手が届くところまで追いついた」。事務所は日増しに人の出入りも増えつつあり、ラストスパートへ陣営の士気も高まっている。

 当初予算案の修正、決算の不認定など、執行部と議会のギクシャクした関係が続いた森下町政1期目の4年間。福田会長は今回の戦いを「本来あるべき住民のための政治を取り戻す選挙」とし、「もちろん森下本人にも問題はあったが、よそのまちの人たちに美浜町が笑われないよう、いいことはいい、悪いことは悪いと、議場で是々非々の議論が行われる正常な町政に戻すための選挙です」と力を込める。

 選挙終盤に向け、「森下は何のしがらみもなく、美浜町のため、住民のために地道に仕事をします。頑固な面もありますが、住民の話には必ず耳を傾け、すぐさま実行に移します」と話す。

谷陣営・髙垣後援会長

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 谷陣営の指揮官は、谷候補とともに議会議員を務めた垣典生後援会長(61)。初めての町長選は町内外の支持者のコネを頼りに、手探り状態が続き、谷候補本人はひたすら街宣、街角に立って政策をアピールしている。

 戦況は「選挙本番に入って名前も浸透しつつあり、ここにきて20代の若者の動きが見えてきたが、現職の壁は予想以上に厚く、厳しい。最後の最後まで票は読めない」とし、住民からは「谷本人の主張と同じく、やはり現町政の取り組みの遅さに不満の声を聞く。とくに津波被害が心配される浜ノ瀬や田井畑の中高年層からは、避難場所整備等を早く進めてほしいという声が多い」という。

 選挙を戦うなかで、垣会長が驚くのは谷候補の人脈の広さ。「いつどこでこんな人と仲よくなったのか」と思うほどつき合いの幅が広く、選挙戦でも芸能人や町外の政治家の応援も多い。「もちろん、町長に必要な国、県へのパイプも太い。議員時代から彼のフットワーク、実行力はずば抜けており、議員初当選後すぐに、いずれは町長になる器だと思った」と政治能力を高く評価する。

 短期決戦も終盤を迎え、有権者には「谷は美浜町への思い、信念をしっかりと持っており、新たなまちづくりに向けて、財政運営の問題点も対策も分かっています。皆さまのご支援よろしくお願いいたします」と話している。