2月3日告示、8日投開票の美浜町長選に向けて25日、新人で立候補を予定している元町議会副議長谷進介氏(56)=三尾=の後援会事務所開きが行われた。谷氏は「いまの美浜町には行政の運用力がない。このままでは明るい未来はない」とし、地震津波、人口減少、こども園の運営検討など現在の町政を厳しく批判。「私はしっかりとした根拠に基づき、すべての住民とともに、新しい美浜町のために頑張りたい」と決意を示した。
 事務所開きには約300人(主催者発表)が集まり、地元町議会議員や御坊市、田辺市の議員も顔を見せ、はじめに垣典生後援会長が「現職はたいへん人気があり、人柄も優しく、それが持ち味でウリだが、行政・財政運営についてはまったくの素人です。新しい町長に『1期4年で成果を出すのは難しい』という見方は、まちの遅れを加速させてしまうようなもの。その点、谷君はまちづくりに対してしっかりとした信念がある。皆さまの熱意で谷進介を引っ張り、2月3日には先を行く現職の背中に手が届くところまで追い込み、8日には一歩でも前に出たい。どうか皆さまのご支援よろしくお願いします」とあいさつ。続いて、来賓の町議会の野正議長、安達克典田辺市議がマイクを握り、選挙での政策論争に期待を込め、一層の結束を呼びかけた。
 谷氏は現在の美浜町政を「行政の運用能力がない」とし、住民最大の関心事の1つである地震津波対策については「まったくの無策で何もできておらず、やる気がないとさえいえる」とばっさり。静岡県吉田町の東日本大震災後のソフト、ハード両面の迅速な取り組みを例に、「同じ町でありながらスピードがまるで違う。この点を美浜町議会で質問すると、町は『静岡の住民は(以前から東海地震等に対して)危機意識が高いから』『予算がたくさんあるから』など、当事者意識のない答弁だった。住民の生命、財産を守るというのは地方公共団体の最大の責務。この気持ちが感じられず、たいへんな危機感を覚え、立候補を決断した」などと述べた。
 ほかにも、現職森下誠史町長が進める人口減少対策としての現金給付(出生祝金等)に効果が出ていない点などを指摘。「私はしっかりとした根拠に基づき、関係団体、住民の皆さまとともに議論を尽くす。2月3日からは短い戦いだが、『限界なし』で突っ走りたい」と決意を示し、最後は「ガンバロー!」の三唱で締めくくった。