毎年「事始め」の12月13日、御坊市薗の小竹八幡神社では氏子の木村洪平さん(市内薗)が翌年のえとの動物を描いた大絵馬を奉納する
 大絵馬の奉納が始まったのは昭和52年。木村さんの大叔父、故山中襄さんから木村さんの父の故靖夫さんへ、平成14年の午年から木村さんへ引き継がれた。筆者はその翌年、未年の大絵馬が奉納される時に取材させて頂いた。そして今回12年ぶりに再び取材した
 12年前、平成15年(2003年)の主な出来事を調べてみると、朝青龍が初のモンゴル人横綱に、三浦雄一郎氏が世界最高齢(70歳)でエベレストに登頂、阪神が18年ぶりにセ・リーグ優勝など。「ことしの漢字」は「虎」で、流行語大賞は「毒まんじゅう」「なんでだろう~」「マニフェスト」となっている。いまはモンゴル出身の横綱が3人、三浦氏は昨年80歳でエベレスト登頂に成功し記録を更新したことなどを思うと、さまざまな事象は年月を経ても連綿と続いていると実感する
 12年前、木村さんは絵馬に「いくさなき世の初夢や醒めやらぬ」の句を添えていた。その前年、2001年の漢字は「戦」。9月にアメリカで同時多発テロが発生し、現在まで続く対テロの戦いが開始されたのだ。赤ん坊が小学校を卒業するまでの年月を経てなお、各国での紛争の状況は混沌としており出口は見えない
 ことしの俳句は「三羊のまるまるとあり夢祝」。「いくさなき世」を具体的に表すようにのどかで楽しいイメージだ。靖夫さんの代から続く「太平幸民」の四文字も書き込まれた大絵馬が掲げられた時、ちょうど雲が切れて朝陽が絵馬いっぱいに明るく当たった。どうかこのように明るく平和な年であってほしいと、団欒する親子の羊を見ながら思った。  (里)