師走に入り、それまでの比較的穏やかな陽気が嘘のように厳しく冷え込んできた。周辺で風邪を引いている人も多いが、筆者は箱いっぱいの温州みかんをいただいて毎日食べているおかげか、幸いうつらずに済んでいる
ビタミンCを豊富に含み、風邪を引く前にしっかり食べておくと予防できるといわれるみかん。梅と並び、和歌山県を代表する果物である。生産量では長らく愛媛や静岡に上位を譲っていたが、近年トップに返り咲いている。この季節に当地方の山間部などで車を走らせていると、鈴なりになったみかんの黄色い実が陽光につやつやと輝く様子が目に映り、何かほのぼのと豊かな気分になる
この「みかん」を名前に冠するコーラスグループ、クエ・クレモンティーヌの初公演を取材した。クレモンティーヌとはフランス語でみかんのこと。クエとみかん、「日高地方のおいしくて魅力的な特産品を名前につけた」という。前年の「クリスマス大合唱の夕べ」への出演時、ミュージカル「キャッツ」のナンバーで工夫を凝らした演出と歌声が瞬時に観客の心をつかむところを目の当たりにして感動。今回は単独コンサートでその魅力を堪能させてもらった。その少し前には、9人の女性演奏家が出演するロマンティック・ミューズ・コンサートを取材。楽器も曲目もバラエティに富み、観客に楽しんでもらおうとの意欲と工夫に満ちた公演だった。
これらを含め、文化的な行事が目白押しだった11月。文化や芸術は、なくても生活には困らないが、触れることで心に張りと潤いが生まれる、いわば心のビタミン。体にも心にもしっかりビタミンをとって、寒い季節を元気に乗り切らなければ、と気合を入れている。 (里)

