「大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略により、日本経済はデフレ脱却に向けて着実に前進している」。安倍首相はG20サミットで、自身が推し進める経済政策の成果を強調した。第2次内閣発足以降の株価の上昇、有効求人倍率の改善などの動きに対し、各国首脳からは「安倍首相の改革を高く評価する」との声もあった。
 国政は先週休み明けから突如、年内の衆院解散総選挙というニュースがかけめぐり、週末には来月2日公示、14日投開票の日程で与野党の照準が定まり、野党は再編、共闘の動きに慌ただしい。安倍首相もすでに解散を決意、きょう18日にも消費税率引き上げを先送りする考えを示し、解散に踏み切るという。
 消費税率の2段階の引き上げは民主党政権時代の3党合意で、引き上げを先送りするには法改正が必要。そこでてっとり早く国民の信を問うために解散という訳だが、G20での安倍首相の発言からすると、微妙にズレた動きとなる。しかし、実際の肌感覚として、引き上げはやむなしとしても、「いまはやめておこう」というのは常識的な判断だろう。
 7~9月期GDPの予測も4月の増税後の落ち込みから回復できておらず、菅官房長官も首相の決断時期について、当初はGDPの確定値が出てからとしながら、1カ月早い速報値に修正した。その後の日銀黒田バズーカ→7年ぶりの日経平均1万7000円台回復→記者への解散情報のリーク→サミットでのアベノミクスアピール→各国の高評価→帰国後の増税先送り表明→解散はまさに筋書き通り。
 増税先送りの改正案に景気条項を残すかどうか、官邸と財務官僚とのバトルが始まっている。安倍首相の実行力、政権の力を見せるときだ。  (静)