みなべ町の堺漁港では連日、高級食材のイセエビが水揚げされている。これから正月にかけて値段が上がる時期。特に昨年は、食品偽装問題が発覚したことで値段が高騰した。漁師らは「ことしは昨年のようなことはないだろうが、高値で販売できれば」と期待している。
 紀州日高漁協南部支所では、9月16日から来年4月末までの期間にイセエビ漁が行われる。ポイントに網を仕掛け、翌朝に引き揚げる「さし網漁」。特に正月前には価格が上がる傾向があり、堺地区では、普段は資源保護のため禁漁区としているエリアを13日から解禁して漁を実施。14日朝には約100㌔の水揚げがあった。漁師らによると、「波が高い時に豊漁となることが多いが、13日は波がなく水揚げは少ない方だった」という。現在、浜値では㌔当たり5000円程度で取り引きされている。
 昨年はホテルなどの食品偽装が発覚した影響で本物志向が高まり、イセエビの需要が急増。町内でも通常の1・5~2倍程度の値段で取り引きされたが、ことしの初めごろから以前の価格に落ち着いた。漁師らは「昨年のような高値は期待できないが、少しでも値段が上がってくれれば」と話している。近年、イセエビの価格は年々下がっており、20~30年前の半分程度に落ち込んでいるという。