迎春に向け、早くもしめ縄職人の平山栄市さん(83)=みなべ町清川=は製作作業に大忙しとなっている。精根込めて2000個のしめ縄を仕上げ、田辺市の業者に出荷する。平山さんは「この時期になると、年末が近づいてくるという実感が湧いてきますね」と話しながら作業に打ち込んでいる。
 平山さんは約40年前からしめ縄を作っているベテラン。始めた当初は市場に出したしめ縄の出来が悪いと返品されたこともあったが、今では熟練された技で、1つずつ完璧にきれいに仕上げている。
 ことしも稲刈りが終わる9月末ごろから脱穀したあとのわらを使い、作業は先月初めからスタートした。自宅近くの作業場で手作業で行われ、一日に70~80個を作り上げるという。
 業者からの注文は、大・中・小と3つのサイズで計2000個。平山さんは「昔はどこの家庭でもしめ縄をつくっていたが、最近ではわざわざ手間をかけて手作りする人は少なくなった。1年の始まりを迎える飾り。心を込めてつくり上げたい」と笑顔を見せていた。