先日、御坊市民文化会館で開かれた和歌山工業高等専門学校(堀江振一郎校長)の地域防災・減災講演会「まるごと地域防災~地域のさまざまな力を防災に~」を取材し、講師の関西学院大学災害復興制度研究所の松田曜子准教授の話を聞いた。松田准教授は被災後に集まるボランティアには若者が多いのに対し、事前に備えている地域防災ボランティアには引退者など比較的高齢の人が多いことを説明。地区運動会にタンカリレーを入れるなど、若者が参加する地域イベントに防災要素を取り入れる事例などを紹介した。
 また印象的だったのは、地域へのボランティア受け入れ態勢を整える必要を訴えていたこと。事例として松田准教授が被災地で行った足湯ボランティアを紹介。足湯につかりながら被災者の話を聞いていたとのことだが、被災者からは避難所の食事について「本当はもっと野菜を食べたいが、炊き出しを頑張っている方にそんなこと言えない」など、本音を聞くことができた。またある地域では、高齢者宅の家具を固定するボランティアを行っており、作業中、お年寄りと世間話する中で、「ベランダの大きな置物をゴミに出したいが、お願いできないか」という要望があった。隣、近所に頼むこともできただろうが、それまで放置していたという。
 自分たちの地域は自分たちで守るという結束は大切だと思うが、松田准教授が紹介したように、よそから来たボランティアだからこそ話せることや頼めることもあるだろう。近い将来発生すると言われている大地震・津波に備え、地域の防災力を高めていくことはもちろん、外部から来るボランティアの能力を最大限発揮できる環境を整えておくことも大切だ。     (城)