任期満了に伴う知事選(11月13日告示、30日投開票)で、和歌山市の法律事務所事務局長の畑中正好氏(62)=田辺市天神崎=が18日、無所属で立候補する意向を表明した。日本共産党県委員会、県教職員組合などで構成する「ゆたかで住みよい和歌山県をつくる会」が擁立、日本共産党が推薦する。知事選には3選を目指す現職仁坂吉伸氏(63)=和歌山市東高松=が出馬を表明しており、畑中氏は選挙戦に向け、「県民の命と暮らしを守り、憲法が生きる県政を目指す」としている。
 畑中氏は田辺市立東陽中学校を卒業し、自動車整備会社を経て昭和49年4月、野間友一法律事務所(現和歌山合同法律事務所)に入所。現在は同法律事務所の事務局長を務めており、平成9年4月からは市民オンブズマンわかやまの事務局長として、県議会議員の14~17年の政務調査費(政務活動費)に使途の違法性を指摘、大阪高裁判決で勝訴するなどしている。
 18日には和歌山市内で記者会見を行い、立候補の意思を表明。「大型プロジェクトと企業誘致を基本施策とする仁坂県政を変え、県民の命と暮らしを守る県政を目指す」と話した。擁立団体のつくる会とは同日、政策協定を締結。▽医療の充実、高齢者福祉の拡充などセーフティネットの強化▽農林水産業を基幹産業に位置づけ、地域経済と暮らしを支える中小企業、商店を応援する▽憲法を生かし、平和を守り、住民が主人公の和歌山県を目指す――など7つの共同目標を掲げている。
 畑中氏の出馬表明を受け、同じく無所属で立候補を予定している現職の仁坂氏は19日、「選挙があるんだなという程度で、あまり何も思わない」と余裕の表情。ただ、畑中氏が会見で仁坂県政を「大型プロジェクトと企業誘致を基本施策とする」と述べたことについては、「私も県民の命と暮らしを守りたいと考えているし、企業誘致以上に地元企業の育成にはかなり力を入れて取り組んでいる。大型プロジェクトや企業誘致などと、勝手に決めつけていわないでもらいたい。もっと勉強してほしい」と反論した。