田辺市龍神村の宿泊施設などで割引優待などの特典が受けられる「龍神ふぁん倶楽部」が、会員数減少のため5月末で廃止となっていたことが分かった。会員はピークの平成17年度には642人だったが、昨年度にはほぼ2割の134人にまで落ち込んでいた。運営する観光協会では、「今後の事業継続は困難と判断した」と話している。
 ふぁん倶楽部の制度は平成7年度に、「龍神村をこよなく愛してもらう」ことを目的に開始。緑の山に囲まれ、清流日高川が流れる自然豊かな龍神村の観光客を増加させようと、毎年会員対象にサービスを行ってきた。特典は▽龍神温泉元湯か丹生ヤマセミ温泉館の無料入浴券1枚をプレゼント▽宿泊所などの協賛施設での割引優待サービス。入会期間は1年とし、年会費は1000円となっていた。
 会員は大阪など近畿圏が中心で、17年度をピークにその後減少の一途をたどった。3年後の20年には、ピーク時の半分以下となる293人に減少。以後も減り続け、昨年度は134人と過去最少。今後の運営が困難と判断し、開設から18年で廃止となった。
 観光協会では「会員の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。大変長い間ご利用いただき、誠にありがとうございました。今後も龍神村をこよなく愛し、お越しくださいますようお願い致しす」と話している。