7日朝、日高川町愛川地内の山中で見つかったツキノワグマは、全長1・09㍍、体重29㌔、推定3歳の大人になる前のメスだということが分かった。
 場所は、東又と呼ばれる地域の林道付近。民家や田畑など人里から2㌔ほど離れている。
 この日午前8時ごろ、皆瀬地内に住む男性(58)がイノシシ、シカ用の箱わなにかかっているのを発見、役場へ通報した。このツキノワグマはえさを探していたところ、わなの近くにあった大好物のみつの樽に誘われ、わなにかかったとみられる。現場へは野生動物の専門家らが駆けつけ、クマを麻酔で眠らせたあと、体内に調査用のマイクロチップなど埋め込んで山奥に運び、再び人里に訪れないよう学習させて放した。
 ツキノワグマは紀伊半島では希少動物とされ、県では保護を基本に狩猟を禁止している。県内での捕獲は昨年1月の有田川町以来。日高川町では、寒川や三十木などで目撃されているが、捕獲は22年6月の妹尾以来4年ぶり。