滝川クリステルの「おもてなし」よりずっと以前から、仁坂知事は「おもてなしトイレ大作戦」と銘打ち、公衆トイレの美化向上へ、市町村や民間宿泊施設に対する財政支援を行っている。日高地方の各自治体も補助を活用し、大便器の温水洗浄便座化や小便器の自動洗浄化を推進。トイレそのものを新設したまちもあり、その快適さに驚かされる。
 日本ではトイレットペーパーをそのまま便器に流せるのが常識。温水洗浄はもとより、便座から腰を上げると、自動でクラシック音楽と水が流れる家庭用便器も普及しているそうで、このトイレの快適さはおそらく日本が世界一だろう。
 海外の多くの国では水洗トイレであっても、紙は便器に流さず、公衆トイレでもホテルでも備え付けのゴミ箱に捨てるのがルール。これは途上国に限らず、日本のように紙を流せる国の方が世界では少ないということを、恥ずかしながら最近知った。  日本を訪れる途上国の人にすれば、個室に入った瞬間、便器のフタが上がることに驚き、紙を流せることに感動し、さらにおしりまで洗って乾かしてくれた日には感激のあまり涙が...。ということもないだろうが、過剰ともいえるサービスに思わず、「そこまでしてくれいでも君」となるのではないか。
 一見の外国人以上に多い日本人観光客も、臭くない公衆トイレで気持ちよく用を足せればまちの印象がよくなり、二度、三度と訪れてくれるようになるという知事の期待もわかる。
 ともあれ、トイレを常に快適に保つには、日々の清掃管理が重要になるが、防犯も必要な公衆はそれにも限界はある。管理を担当される方はあまり神経質にならず。ピカピカでなくとも、「普通にきれい」であれば十分。 (静)