5日に福岡市で開かれた全日本選抜柔道体重別選手権大会の女子63㌔級で、御坊市出身の龍谷大4年、西川真帆選手(21)がベスト4進出、初出場で3位に入る健闘をみせた。世界選手権の代表選考会を兼ね、各階級の上位8人によって競われる体重別日本一決定戦。準決勝は実業団の片桐夏海選手(25)に惜しくも敗れたものの、初戦で国際大会優勝経験もある優勝候補の阿部香菜選手(25)を破る番狂わせを演じ、強豪ひしめくなかで大いに存在感を発揮した。
 西川選手は紀央館高校から龍谷大に進み、昨年9月の関西学生女子柔道体重別選手権で2回目の優勝、続く全日本学生柔道体重別選手権(インカレ)では初優勝を飾った。3年連続3回目の出場となった11月の講道館杯(体重別)は苦しみながら5位に入り、これらの実績から、各階級の上位8人で争う全日本選抜への出場権が初めて与えられた。
 初戦は昨年のグランドスラム東京、ワールドマスターズチュメニ大会を制すなど、国際経験も豊富なA強化メンバーの阿部選手(三井住友海上火災保険)と対戦。B強化メンバーの西川選手は序盤から積極的に攻め、格上の阿部選手から小外刈りで技ありを奪って先行した。終盤に裏投げで技ありをとられ、ポイントは並ばれてしまったが、終始攻め続ける西川選手に対して阿部選手は消極的。最終的に阿部選手が2個の指導をもらい、西川選手の優勢勝ちとなった。
 続く準決勝は同じB強化メンバーながら、昨年の講道館杯で苦杯をなめた片桐選手(コマツ)が相手。前回一本負けのリベンジを期して挑んだが、新ルールで指導のタイミングが早くなったことから、片桐選手の圧力は予想以上に強く、終盤、払い巻き込みで一本負けを喫した。
 またも実業団との力の差を見せられる結果だったが、成長著しい学生王者は存在感を存分に発揮。近く正式発表される東アジア選手権代表が有力視され、世界への大きなステップとなった。
 西川選手は「初戦で阿部選手に勝ち、気持ちのどこかに緩みが出てしまったと思います。今後は与えられるチャンスをしっかりものにするため、最後まで気持ちを切らさないよう、メンタル面をさらに強化したいです」と話している。