桜の花が見ごろを迎えている。筆者が通勤する県道御坊美山線でも沿道にたくさんの見所がある。年によっては、ピーク前に風雨で花びらが散ってしまい、ピンクの花びらに新芽のグリーンが混ざっていま一つ見栄えがよくないこともある。しかし、ことしは天候がよかったのか、どこの桜を見ても1本の木がふんわりとピンクの綿で包まれているような見事な美しさである。
 春に咲く花の芽は、前年の夏に作られるらしい。そこから休眠し、晩秋から冬の低温にさらされることで眠りから覚めて、開花の準備を始める。春になって気温の上昇とともに花芽が育ち、やがて開花となる。四季がある日本だからこそ、楽しめる花。あえて書く話ではないが、日本の四季がもたらす恵みにあらためて感謝である。
 ところでもう花見はすんだだろうか。日高地方にもたくさんの名所があるが、中でも御坊市湯川町の亀山(標高120㍍)がオススメ。山頂では桜が楽しめるだけでなく、昨年、地元丸山区が周辺の木を伐採して360度の大パノラマが望めるようになっており、まさに絶景。夜間にはちょうちんのライトアップがあり、ムードも満点だ。山頂までは四駆の軽トラならいけるが、道が細いため慣れていないと危ないのでできれば徒歩がいい。時間にして10分から15分程度。少々大変だが、山頂についたあとの絶景とおいしいお酒のことを考えればそれほど苦にもならないはず。さらに、周辺地域の住民にとっては、亀山が地震津波の避難場所にもなるので、まだ登ったことのない人は、花見がてらに歩いてみるのもいい。ただ、くれぐれもゴミは各自で持ち帰りを!     (吉)