日高総合病院敷地内に建設していた日高看護専門学校が完成し、31日に同学校3階講堂で竣工式が行われた。4階建ての美しい施設に加え、全国的にも珍しい看護シミュレーターを導入するなど充実した設備で、10日に入学する1期生40人を迎え入れる態勢が整った。校長の森脇宏日高病院名誉院長は「魅力ある学校作りと優秀な看護師の育成に力を入れたい」と決意を新たにし、深刻化している看護師不足解消に期待を込めた。
 仁坂吉伸知事や日高地方選出4県議、各市町首長のほか、看護学校設立へ尽力した県健康局の野尻孝子局長ら約40人が出席した。
 御坊市外5ケ町病院経営事務組合管理者の柏木征夫御坊市長は、看護学校が日高地方の看護師不足解消へ大きな役割を担っていることを強調したうえで「地域住民に希望を与える施設。優秀な看護師を育てるのが使命ですので、今後も皆さんの協力をお願いします」と一層の支援を求めた。来賓の仁坂知事は「学生が実習する病院や施設に対し、地元の官民が一体となって受け入れてくれるのは素晴らしい。立派な看護師になって、地域で働いてほしい」と期待を込め、中村裕一県議や4病院を代表して北出病院の北出俊一理事長も「素晴らしい看護師を養成してください」などと述べた。東克彦日高病院院長が経過報告したあと、設計・監理の㈱岡本設計と施工の㈱フジタ大阪支店に感謝状が贈られた。森脇校長は「地域の課題である看護師不足を解消したいという地元の熱い要望に、関係首長の英断で立派な施設が完成した」と感謝し、「設立の趣旨を職員が胸に深く刻み、魅力ある学校を作り、使命感と倫理観を持った優秀な看護師を育成することを誓う」と力を込めた。最後は全員で万歳三唱した。
 竣工式のあとは出席者が施設内を見学。病室を再現した実習室では、適切な処理を施さないと容体が悪化していく全国でも少ないシミュレーター(人形)も取り入れており、仁坂知事も興味深く説明を聞いていた。
 施設は鉄筋コンクリート4階建て。総事業費は9億3975万円。