由良町議会3月定例会最終日の20日午後、去る14日の一般質問で制限時間を守らなかったうえ議長の再三にわたる制止も無視し続けた由良守生議員に対する懲罰の宣告があった。「陳謝」の懲罰を宣告された由良議員は登壇したものの、これを拒否。6月定例会でさらに重い懲罰が科せられる見通しとなった。
 懲罰特別委員会(藤田富三委員長)の委員長報告があり、陳謝の懲罰を全会一致で可決。上野議長が懲罰を宣告し、由良議員に陳謝を求めた。陳謝の懲罰は、あらかじめ委員会において作成し議会の議決を経た陳謝文を懲罰を受けた議員が公開の議場で読み上げて遺憾の意を表明する方法で、陳謝文はこの日の午前中の懲罰特別委で内容が決まっていた。由良議員は登壇後、「この文面は私の文ではございません」などと勝手に陳謝文にない言葉を発し、上野議長がまず「もちろんこの文面はあなたのものではございません」などと注意。上野議長が2度目の陳謝文朗読を求めると、「風力発電の被害を...」などとまたもや自身の言い分を述べ、さらに上野議長から「陳謝文を読み上げることが懲罰です。よく理解して再々度演壇に上がってください」と命令を受けてもまったく従わなかった。最後に上野議長が陳謝文朗読の意思を4度確認したところ、4度目に「拒否になります」と宣言。由良議員に対する懲罰動議は閉会中の継続審査となり、再懲罰が決まった。
 委員長報告では藤田委員長が、一般質問の制限時間や議長の制止無視、その後に議長に無断で帰宅したことに加え、報道機関に「ルールより、(風力発電)被害を訴えることの方が大事」と主張し、地方新聞紙上に「ルール無視をしても構わない」と議会議員としてあってはならない発言をした、第2回懲罰特別委で自身のホームページに根拠のない書き込みをしたうえに、その経緯の説明を求めたところあいまいな回答をしたことなども指摘。「法律や議会のルールを守らないのは、議員にあるまじき行為」との意見があったことを示したうえで「除名との意見も多く出たが、2番目の公開の議場における陳謝とすることに決定した」と述べた。
 委員会の決定した陳謝文では報道機関に発言したことを認め、自身のホームページの書き込み削除、同一問題についての審議は効率を図るために控えること、議会のルール及び法律厳守などを誓うことが記載されていた。
 懲罰を拒否し、議場を出た由良議員は取材に対し、「この文章では私の文面ではないし、意に沿わない。弁明の書を出しておりますので、それ以上のことはいえない。いう必要もない」と話した。
 懲罰には戒告、陳謝、出席停止、除名の4種類あり、次の懲罰特別委では陳謝より重い懲罰で協議される見通し。同僚議員の1人は「全国的にも懲罰を拒否するなんて例は少ないのでは」とあきれた表情を浮かべていた。