先日、印南町で女優藤原紀香さんを招いての講演会が開かれた。藤原さんは父の出身地など印南町にゆかりがあり、先祖の墓や多くの親戚がおり、過去にも何回か来町しているという。今回の講演もそういった縁で実現。大女優の来町というだけあって体育センターには1000人が集まった。
 講演では藤原さんが過去に訪れたアフガニスタンやカンボジアなどで感じたことを写真を使って説明。特にアフガニスタンは、紛争後の危険な状態。広大な土地に石が2列に並べられており、幅は2㍍程度。これは石の間だけが地雷の心配がないということ。石の外側にはどこに地雷があるかわからない。また2㍍と細いため車同士対向する際にはどちらかが外に出なければならず、道中には地雷を踏んで大破した車があったという。思っていた以上に危険な場所で、女優として成功しながらも自らこういった危険地域に赴く藤原さんの「子どもたちを笑顔にしたい」という強い意志を感じた。
 講演の中で印象的だったのは、藤原さんが芸能界を目指したきっかけ。阪神淡路大震災の際に、多くの著名人が支援に訪れた。その様子を見て「有名人が現場に来ればテレビや新聞などのメディアが集まり、それを見た人から支援が集まる」と気付き、モデルとして活動を始めたという。社会貢献を目標に芸能界を志し、成功を収めたあとも初心を忘れず危険地域での慈善活動を献身的に行う姿には、尊敬の念を覚える。最後に「今回の話を他の方に伝えてもらうことだけで、大きな協力となります」と呼びかけていた。世界中の悲惨な子どもの現状を紙面を通じて少しでも伝え、微力ながら協力したい。  (城)