御坊市外五ケ町病院経営事務組合(管理者・柏木征夫市長)が、日高病院敷地内で進めていた日高看護専門学校新築工事が完成。31日に竣工式、4月10日に開校式と入学式を行う。いずれも午後1時半から。1学年40人の3年課程で、第1期卒業生が誕生するのは29年春となる。深刻な問題となっている看護師不足解消へ大きな期待がかかる。
 校舎は延べ床面積3676.64平方㍍の鉄筋コンクリート4階建て。普通教室や職員室、基礎看護実習室、情報コンピューター室、在宅実習室、学生ホールなどを設けている。工事は、建設用地となった日高病院の旧診療・管理棟の解体を含めて24年11月から進めてきた。現在は茶色のタイル張りの外観が姿を現しており、内装や電気設備の工事も完了。開校に向けて備品の搬入を行っている。また、すでに第1期生の入学試験は終了しており、地元枠15人、一般枠19人、社会人枠6人の計40人が入学見込みとなっている。
 同病院ではかねて看護師不足でベッドの休床を余儀なくされるなど、看護師の確保が大きな課題となっており、待遇改善や院内保育所の開設などで働きやすい環境整備に努めている。看護学校の建設も、地元で看護師を養成して地元で働いてもらうのが狙いで、22年1月、中村裕一県議が発起人となった第1回看護問題懇談会で地元への看護学校設立が提案され、進められてきた経緯がある。日高地方には以前、和歌山病院に看護学校があったが、いまは有田、日高の紀中エリアにない状況となっていた。
 新築工事の設計は3357万9000円で和歌山市の㈱岡本設計(坂本暁史代表)、施工は8億2563万6000円で和歌山市の㈱フジタ和歌山営業所(木下昌英代表)。