印南町は新庁舎の基本・実施設計などを含む平成26年度一般会計予算を発表した。以前から神ノ子尾団地で進めていた土地所有者らとの話し合いにめどがついた格好。新庁舎の場所はいなみこども園などがある「かえるの里」から200㍍程度南の場所。26年度で設計、27、28年度で用地買収、建設に取り掛かり、29年のゴールデンウイークの移転を目指している。
 庁舎移転は、現庁舎の老朽化とともに、海抜が低いことから大地震による津波被害を受ける可能性があるとして、数年前から検討されていた。前町長時代に高さが確保でき町有地である「かえるの里」に移転する計画で進められていたが、平成24年1月の町長選で当選した現日裏勝己町長が計画を一時凍結した。その後、かえるの里での計画案をもとに町内の団体代表者らでつくる「町役場庁舎建設検討委員会」に図ったところ、「地盤に不安がある」と指摘を受け、町ではかえるの里周辺で新たな用地を探していた。
 場所はゴルフ場「いなみカントリークラブフジ」の上り口付近で、面積は前計画より約3000平方㍍広い、約9000平方㍍。3階建てをイメージしており、「町を見守り、経済的」をコンセプトに耐震や免震構造を取り入れ、設備を最小限にしてランニングコストを抑える。
 事業費は用地買収が必要になるため前計画の約10億円より増えることが見込まれているが、町では「基金と実質3割負担になるなどの有利な国の起債を活用していきたい」と話している。