日高川町和佐の手取城址に25日、地元和佐小学校(玉置芳男校長)の児童らが桜の木を植樹した。
 桜の植樹は約60年ぶり。当時、地元住民らによって約200本が植えられたが、数十本がシカ被害などで枯れてきており、同校育友会が呼びかけた。この日、全児童58人が手取城址保存会メンバーらとともにソメイヨシノ50本、ボタン桜25本の計75本を植樹。スコップで穴を掘って、成長を願いながら1.2㍍ほどの苗木を丁寧に植えた。シカから守るために苗木の周りには4本の竹を打ち込みネットで囲った。1年生の堀江優希さんと小宮颯斗君は「シカに食べられることなく、元気に育ってきれいな花を咲かせてほしい。大きくなった姿を見に来たい」と話していた。
 手取城址は町の指定文化財。城は1352年ごろ、田辺市龍神村付近を治めていた玉置氏の同族、玉置大宣(ひろのぶ)が和佐に進出し、築いたと言われている。その後、10代目の直和まで居城としていた。1585年、豊臣秀吉の紀州征伐に際し、直和は秀吉に味方し、逆に秀吉に抵抗した湯川氏13代目当主で亀山城主の直春によって手取城は落城した。