南海トラフの巨大地震に備え、県災害対策本部日高支部の図上訓練が22日、日高振興局別館で行われ、同振興局各部の職員ほか、暖地園芸センターや養鶏試験場など出先機関、警察、消防、自衛隊など約90人が参加した。
 図上訓練は防災関係機関の連携強化を目的に、平成18年度から毎年実施。過去には美浜町、日高川町、みなべ町など自治体との合同訓練も行ったが、今回は自治体の参加はなく、県以外では御坊署、日高広域消防、陸上自衛隊信太山駐屯地、同和歌山駐屯地、田辺海上保安部が参加した。
 訓練は演習部(プレーヤー)と統制部(コントローラー)に分かれ、プレーヤーはコントローラーから与えられる内容について判断、対処。コントローラーは企画統制、状況付与、評価の3班があり、状況付与班は訓練の進行役として津波による建物や道路の被害状況、病院の受け入れ状況、負傷者などの状況をプレーヤーに伝え、市町職員など訓練に参加していない機関のダミー役も演じた。
 振興局健康福祉部は救助・救援要請の把握、県対策本部への応援要請、負傷者の搬送先調整などを担当。御坊保健所の鈴村滋生所長は「災害発生直後は病院の被災状況、各地の道路の状況等の情報を他の総務班、建設班などから得て、負傷者搬送先の調整や緊急車両が通行できる道路の確認を行うが、ここでもやはり、よくいわれるホウレンソウ(報告・連絡・相談)の徹底が重要となる」と話し、続々と押し寄せるさまざまな状況に対応、相談しながら指示を与えていた。