「観光は日本の重要な産業の一つになる」。今月11日に和歌山市内で行われた第10回国内観光活性化フォーラムのパネルディスカッションで出された将来展望。確かに国内にはたくさんの観光資源がある。富士山も世界遺産になったし、和食も登録される見通し。和歌山では高野・熊野がそうで、さらに世界遺産に限らずとも各地をみればいろいろ魅力的なスポットがあり、世界から観光客を呼べる資源と可能性がいっぱいある。あとはいかにPRするか、地域資源を磨いてより一層魅力あるものにするか、受け入れ、おもてなしの態勢をどう整えるかである。
 そんな観光は旅行業者に限らず、飲食、土産、宿泊、交通などさまざまな業種に恩恵をもたらしてくれる産業でもあり、今後新しい関連ビジネスが生まれてくるかもしれない。例えば名所の歴史解説を行う語り部。御坊市内ではいまほぼボランティア的に引き受けているが、語り部自身のスキルアップも図りながら受付窓口の開設や料金設定をすれば、ビジネスになるのではないかと思う。
 話をフォーラムに戻すと、観光が持つ別の意義にも言及していた。それは「観光は平和産業」ということ。戦争がなく平和であるからこそ観光が成り立つわけで、さらに国家間で観光客が行き来するようになれば、両国の友好促進にもつながる。日本と中国、韓国との難しい関係も、観光が突破口になるかもしれない。いずれにしても観光がいろんな面で大きな可能性を秘めていることは間違いない。日高地方にも磨けば光る資源がごろごろしていると言われており、地域活性化へ大いに有効活用を期待している。(吉)