プロ野球パ・リーグ、オリックス・バファローズ主催の少年少女野球教室が去る2日に御坊小学校体育館で開かれた。講師は御坊市出身、日高高校OBで、オリックスでは中継ぎ、抑え投手として新人王を獲得するなど大活躍した大久保勝信さん(37)、日本タイの4打席連続本塁打記録を持つ羽田耕一さん(60)ら8人が担当。地元の小学生球児ら約120人が指導を受け、目を輝かせて練習に打ち込んでいたのが印象的だった。
 小学生のころプロ野球史上唯一の400勝投手、金田正一さんらが講師を務める野球教室に参加したことがある。当時感じたことはとにかく体が大きい。それにスイングや投球など一つ一つの動きの迫力。「プロの一流選手はすごいな」と圧倒された。そんな元プロ野球選手からのアドバイスは技術的に今後の参考になるというのはもちろんのことだが、何よりもあすからの練習をやる気にさせてくれた。30年ほどたっても当時の記憶がはっきりとあるぐらいだから、OBとはいえプロ野球選手からの直接指導はかなりの効果があったのは確かだ。
 野球王国和歌山、とくに学童野球が盛んな日高地方にいると分かりづらいが、国内の子どもの競技人口ではすでにサッカーの方が上といわれるほどで、野球の競技熱衰退が心配。高校野球の甲子園人気にあぐらをかいていてはこの傾向に歯止めをかけられないだろう。OBにコーチしてもらえるだけでも子どもたちは大喜びする。教室は有意義だ。ならば、現役選手が来てくれれば子どもたちの目の輝きはもっと増すはず。人気球団のトップ選手ももっと地方に出向き、夢を与える機会をどんどん提供してもらいたいと思う。     (賀)