大晦日の紅白歌合戦の出場アーチストが決まったり、流行語大賞のノミネートが発表されたりと、世間はすっかり年末の話題に染まってきた。それもそのはず、気がつけばあと3日で12月。師走と聞くだけで慌ただしい気になってしまう。そんな中、テレビで一つのニュースにくぎ付けになった。人が運転しなくても車が動く自動運転技術を搭載した車だ。車に取り付けたカメラやセンサーなどで車や歩行者を識別し、アクセルとブレーキ、ハンドル操作を自動で制御するという。日産自動車は実際に自動車専用道路での実証実験をスタートさせたとの報道もあった。技術の進歩はいよいよ夢を実現する領域に達しつつある。機械任せにはいささか不安があるのも正直なところだが、一般に普及するのを待ちたい。
 車の技術の進歩に期待するのは、当然ながら事故がなくなってほしいからにほかならない。夢の自動運転の車のニュースの少しあとに、悪質運転の厳罰化などを盛り込んだ「自動車運転死傷行為処罰法」が、国会で成立した。無免許など悪質運転の犠牲者になった遺族の訴えが新法をつくるきっかけとなった。愛する家族を失った悲しみを、ほかの人には味わってほしくない、そんな切実な思いが伝わってくる。
 罰則を強化してから飲酒運転による事故が減ったように、厳罰化は一定の効果があるといえる。厳罰化そのものより、悪質運転をさせない意識が高まることの効果が大きいだろうか。ただ、人が運転する以上、ミスが起こってしまうのも事実。やはり自動運転が当たり前の時代になるのがベストなのか。将来に期待を抱きつつ、いまはハンドルを握る責任を持つことが最も求められている。 (片)