由良町は25日、「長年にわたり昭和37年7月に建立された海防艦第30号戦死者供養塔及びその周辺の美化に努めてきた」として、阪元昭良さん(78)=吹井=に表彰状と記念品を贈った。
 ことし夏、本紙で阪元さんの活動が取り上げられたことなどをきっかけに、特別に「善行表彰」としてたたえた。贈呈式は役場町長室で行われ、畑中雅央町長は「その功績は誠に顕著であり町民の模範」と表彰状などを手渡した。
 阪元さんは太平洋戦争当時、自宅の近くに停泊していた海防艦に乗せてもらい、乗員に菓子をプレゼントされた思い出もある。昭和20年7月28日の空襲で海防艦の乗員は多数の戦死者を出しており、「軍艦でお世話になった恩返しがしたい」と供養のためのボランティア活動を始めた。供養塔は自宅近くにあり、頻繁に美化、供養の活動をするようになって10年以上という。畑中町長には「当時10歳で、(空襲の)10分か15分前まで海防艦に乗っていた」など生々しい体験談も紹介し、表彰を受けたことについては「表彰をもらうつもりでやってきたわけではなく、思ってもいなかった表彰です」と話していた。