報告、連絡、相談。だれが言い始めたのか、これをビジネス用語で「ホウレンソウ」というらしい。無理な語呂合わせ、意味はどれも同じような気もするが、ようは人とのコミュニケーションを大切にせよ、組織の仕事の能率を上げるにはこれが基本であるという。
企業の場合、部署は外回りが本分の営業もあれば、ひねもす社内で機械やパソコンに向き合う工場もあり、ほかに人事、企画、総務など、それぞれに苦労しながら、力を合わせて社業発展のため取り組んでいる。
新聞記者の場合、簡単にいうと、人と会って話をするのが仕事。楽しいこともあれば気分が落ち込むこともあり、これがおもしろいようでけっこうしんどい。やたらと話好きな人もいれば、逆に何を聞いても返事程度しか答えてくれない人もいて、つくづく、「世の中にはいろんな人がいる」と思い知る。
相手のちょっとしたものの言い方、表情や態度ひとつで気分を害する人、逆にそんなことはまったく気にならない人、さらにいえば、知的にも見た目にもハンディはないが、その場の光景や物音にいちいち神経が反応してしまい、周囲の人とのコミュニケーションがうまくとれない人もいる。これらは「感度」の違いとでもいおうか、血液型や性格といった単純な分類、少ない引き出しではとても整理しきれない。
コミュニケーション力は人の顔と同じで十人十色、千差万別。「ホウレンソウ」などという言葉が人口に膾炙するいまの日本、それがビジネスマナーの最低条件かのようにいわれているが、現場で真に必要で優先されるべきはやはり、知識や技術、発想、センス、集中力など仕事の能力。企業はそのうえに個々の「感度」の違いを見極め、適材適所に気を配るべきだろう。 (静)

