世耕弘成内閣官房副長官が9日、7月の参院選後初めて日高地方入りし、圧倒的勝利のお礼を兼ね、各市町の後援会会員らに安倍晋三総理を支える超多忙な官邸の日々を報告した。由良町(上道一郎後援会会長)では東京五輪招致決定について、IOC委員の最終投票寸前まで行われた交渉や心理戦を詳しく説明。「この東京五輪決定を機に日本人の気持ちの向きが変わりつつある」とし、政策の第一に掲げる経済再生の見通しが明るいことを強調した。
 五輪招致レースについては、9月のブエノスアイレスで開かれたIOC総会の舞台裏を詳細に報告。当初、安倍総理の5分間のプレゼンに福島原発の汚染水問題は触れない予定だったが、ロシアのサンクトペテルブルグから超強行軍で会場に到着後、安倍総理がすぐさま各国IOC委員と交渉した際、どの委員からも汚染水の影響を懸念する質問が出た。そのために急きょ、東京五輪に福島の影響はないことを強調する内容のスピーチに書きかえ、「The situation is under control(事態は掌握している)」という言葉で会場の雰囲気が変わり、勝利を確信したという。勝因は「なんといっても安倍総理の熱意と努力であり、高円宮久子さまのスピーチも大きかった」と振り返った。
 安倍政権の第一の政策課題である経済に関しては、「アベノミクスの本当の狙いは、これまでデフレで下向き、後ろ向きになっていた日本人の気持ちの向きを変えることにある。9月の東京五輪決定から、日本人の目線が少しずつ前向き、上向きになりつつある」とし、「いま、関空は格安航空会社の人気で景色が変わるほどアジアからの就航、観光客が増えている。この流れを生かし、東京五輪に向けてますます増える観光客の経済効果を和歌山に取り込むため、紀伊半島一周道路の整備を加速させ、三重の伊勢神宮とセットで名古屋から東京へ行く観光ルートの開発など、由良町の皆さんや仁坂知事とともに頑張りたい」と決意を示した。
 この日は由良町のほか、日高町、美浜町、御坊市、日高川町、印南町、みなべ町を回り、喜びの結婚報告もあわせて支持者と懇談した。