仁坂吉伸知事が23日に御坊市を訪れ、市民文化会館で開かれた県行政報告会の前に紀州鉄道の試乗や寺内町の散策などを体験した。松原通りにある大谷呉服店では、大谷春雄店主から寺内町の歴史解説や抹茶の振る舞いも受け、「御坊は奥が深い。観光振興は演出しだいで、県も応援できることがあると思う」と話していた。
 仁坂知事はJR御坊駅から紀州鉄道に乗車して西御坊駅で下車。「ほんとのんびりしてていい雰囲気。毎日でも乗りたいぐらい」と気に入った様子だった。このあと、寺内町を歩いて大谷呉服店に到着。大谷店主から茶の振る舞いを受け、「こういったサービスがあるといいですね」と感心していた。寺内町にある堀河屋や野村家、川瀬家など古い町並みについても解説を受けた。
 視察を終えて寺内町については「大変価値があると思う。特に紀州鉄道があるのは大きな強み。あとは何か物語性があればいい。演出しだいで観光客がもっと呼べる。地元住民のやる気が大切なのはもちろんだが、県としても何かできることはある」と述べた。また、御坊市商店街振興組合連合会や紀州鉄道、県、御坊市、御坊商工会議所が今月1日からスタートした「ごぼう寺内町ふれあい商店街事業」は、紀州鉄道に乗車すると発行される証明書を持参すればイベント加盟店でさまざまなサービスが受けられる仕組みになっているが、これについても「商店街と鉄道が手を組むのはいいこと。県も一層宣伝していきたい」と約束した。