市町村合併前の旧龍神村が芸術を通じて地域おこしにつなげる「龍神国際芸術村構想」を立ち上げてから30周年の節目を記念した芸術祭「Art in 龍神村」(実行委員会主催・奥野誠委員長)が、12日から廃校となった旧甲斐ノ川小学校で始まった。21日まで。プロ作家24人が写真、切り絵などの作品を展示。期間中はジャズコンサートもあり、多彩に展開される。
 芸術活動を地域振興に役立てようと、昭和58年から旧龍神村が「国際芸術村」に取り組み始めた。以後、県内外から芸術家たちを招き入れ、作家たちが住むアトリエ住宅を建設。現在は全国各地から集まった約30人が移り住んで創作活動に取り組み、染織、陶芸、絵画、切り絵などと幅広い分野で活躍している。
 作品展は旧小学校の各教室を利用。豊かな表情を写した写真、木工家具、和紙でつくったオブジェなどがずらりと並んだ。来場者らは1点ずつゆっくりと鑑賞。上富田町から訪れた男性(62)は「以前に中学で技術科の教師をしていたことがあった。漆塗りなどの作品を見ていると、こういう風な作品をつくれたらと思いますね」と話していた。奥野実行委員長は「龍神村に住んでいる作家、龍神村で育った作家、そして彼らとつながりのある作家たちの作品が並んだ。30年という長い歴史の中で地域に育った文化力の表れ。みんなで芸術を共有してもらいたい」と、来場を呼びかけている。
 期間中は各種体験教室やコンサートなども用意。通常の展示時間は午前10時から午後5時までだが、12~15日、19・20日はナイト・ギャラリーとして午後9時までとなる。詳しくは奥野さん℡78-0185か、事務局の蓑虫さん℡050―3444―4776まで。