みなべ町で秋祭りシーズンが開幕し、西本庄の須賀神社(楠本誠二宮司)の祭礼が8日宵宮・9日本祭りで行われた。宵宮にはやぶさめ神事の伝統を残しているといわれる奉納競馬「競べ馬(くらべうま)」があり、各地区から出走した6頭が2頭ずつ走り、一の鳥居から留場までの約200㍍の直線を駆け抜けた。本祭りでは午前中の神事で巫女の舞が奉納され、午後から神輿渡御に移った。
 宵宮の競べ馬には晩稲3頭と谷口、東本庄、新庄の各地区から1頭ずつの計6頭が出走。1頭が2回ずつで計6回行われた。一の鳥居付近をスタートし、留場までの馬場をあっという間に駆け抜けた。馬蹄を響かせながら走り、集まった見物人の中には勇壮な馬をカメラに収めようと盛んにシャッターを押す光景がみられた。
 本祭りでは午前中に神事が執り行われた。巫女の舞は例年は野外で行われるが、時折降り出す雨のために本殿で実施。谷村汐里さん(上南部中3年)、森あかねさん(同1年)、永井夏鈴さん(同1年)の3人が華やかに浦安の舞を奉納した。午後からは神輿渡御に移り、各地区の祭具が古式ゆかしく列をなし、子ども神輿などが「ワッショイ、ワッショイ」と練り歩いた。
 龍南地方では今後、秋祭りが目白押しで、みなべ町では13日には西岩代八幡神社と東岩代八幡神社、20日は鹿島神社、27日が高城天宝神社と清川天宝神社の秋祭りが行われる。田辺市龍神村では11月3日に丹生神社、荒嶋神社、皆瀬神社で一斉に行われ、この日は村内が祭り一色となる。