「私がここにいるのは、スポーツによって救われたからです。スポーツは私に人生で大切な価値を教えてくれました」。こう話したのは女子陸上選手でパラリンピック選手でもある佐藤真海さん。今月初めにアルゼンチンのブエノスアイレスで開かれたIOC総会のオリンピック最終プレゼンテーションで、自身が大きな影響を受けたスポーツの力を訴えた。
東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県気仙沼市出身。中学校で陸上競技を始め、仙台育英学園高等学校から早稲田大学へ進学。応援部チアリーダーとして活動していたが、平成14年に骨肉腫で右足膝以下を切断。リハビリを行い、アテネ、北京、ロンドンのパラリンピックに出場した。辛い過去を跳ね除け、北京大会では6位入賞を果たした。
プロ野球界でも先日、パ・リーグの東北楽天ゴールデンイーグルスが球団創設9年目で初のリーグ優勝に輝いた。23年には、東日本大震災で本拠地のある仙台などが未曽有の被害に見舞われたが、苦難を乗り越えて今回の優勝につながった。震災直後からいろんな人たちが被災地に力を与えたいと現地入りしているが、今回の優勝もファンにとっては最高の喜びで、今後の復興や前向きに生きる力となり得るだろう。
力を与えるのは、スポーツの世界だけでない。音楽や芸術も同じ。小さなレベルだが、筆者も力をもらったことがいままでにたくさんある。学生時代の友人の考え方だったり、読んだ小説だったりする。与える力の根源は魅力や感動。人それぞれで感じ方は違うが、少しでも他人に力を与えることができるような人になれれば素晴らしい。 (雄)

