高速有田-田辺間4車線化事業着手式が去る22日に御坊市野口の日高川ふれあい水辺公園で行われ、関係者200人が出席して盛大な催しとなった。
 それにしても式典のあいさつでは少々驚かされた。というのは主催者側の西日本高速道路㈱(NEXCO)の石塚由成代表取締役社長が「有田-御坊間についてはいまから8年半後の平成33年度の完成を目指す」と言ったからである。それまでは完成年度がはっきりせず、本紙でも関係者からの取材で「8年から10年後」という書き方にとどめていたが、初めて公の場で具体的な年度目標が明らかになったのである。これは記者にとっては「しめた」と思う瞬間で、記事でポイントとなる部分をいただいたようなものである。
 ところが、それを覆すあいさつが出てきた。二階俊博代議士や国土交通省副大臣の鶴保庸介参議が「8年半も待てない。5年後の完成へ努力しよう」などと述べたからである。こんなことを言うと叱られそうだが、最初は通り一遍の言葉をつらつら並べる記事になるのかと思っていた。しかし、このあいさつでさらにスパイスの効いた中身になった。
 実際のところ、あと5年で完成させるには、難しい課題もある。一番のネックは用地交渉で、地権者の協力が必要。スムーズにいくためには、地域住民が一丸となって推進していくことが大切である。いずれにしても4車線化の早期完成は県民の悲願。民主党政権時代に予算が廃止されるなどの紆余曲折もあり、とにかく遅れている。この遅れを取り戻すため、「5年後の完成」の目標を打ち出すのは、県民や関係者のさらなる奮起を促すにはちょうどいい。この決意と意欲で一日も早い完成を願う。    (吉)