和歌山市出身の女子プロボクサー真道ゴー選手が、5月にWBC女子フライ級世界タイトル戦に挑むという。彼女は性同一性障害に悩んだが、母親の言葉で心が晴れたと大手新聞に紹介されていた。その言葉とは、母親にカミングアウトしたとき「男とか女とかではなく、目標を持って生きていないのが悲しい。笑顔で生活してくれたらそれでいい」。子への愛情にあふれる母親だからこそいえる言葉だと感銘を受けた。もちろん、目標を見つけ、達成に向けて頑張る真道選手も素直にかっこいい。やはり目標を持っている人は輝いて見えるし、やる気に満ちている人がそばにいると周りにもいい影響を与える。
 自分を見つめ直すと、とても輝いているとは言い難い。仕事はこなすのに精いっぱいで、趣味と豪語していたマラソンも、忙しさを理由にもはや趣味とはいえなくなっているのが現状。無理やり輝く必要はないが、やはり目指すものがあるのとないのとでは気持ちの持ちようが違う。そろそろ自分に喝を入れなければと、真道選手の母の言葉に自分も奮い立たされた。やりたいことはたくさんある、しかしいまのままの方が楽、そんな後ろ向きな思いから脱却してもっと自分に挑戦していかなければ。そんな思いにかきたてられた。
 4月、新年度が始まり、多くの企業や官公庁では新入社員・職員が新たなスタートを切った。まだまだ緊張の連続だろうが、目標を決めてそれに向かってがむしゃらにまい進していってほしい。楽な道を選ぼうとしない、希望に満ち溢れたいまの気持ちを決して忘れてはならない。ついつい忘れてしまった時は、真道選手の母の言葉を思い出そう。目標は人を輝かす。   (片)