国土交通省がことし1月1日時点の公示地価を公表した。 全国的には大都市圏のマンション需要増などにより地価の下げ止まり傾向がみられ、 和歌山県内も田辺市の高台住宅地が上昇するなど一部で回復傾向がみられるが、全体としては住宅地、商業地ともに22年連続の下落。 全用途の対前年平均変動率はマイナス4.7%で、 市町村別の下落率は巨大地震の津波への警戒感から、 串本、太地、 那智勝浦など紀南の沿岸部が大きくなっている。  公示地価は一般の土地取引価格に対する指標を与え、相続税や固定資産税の評価の目安、公共用地の取得価格の算定基準、不動産鑑定士らの鑑定評価基準となり、県内は都市計画区域の指定がある9市14町の計177地点(うち5地点は選定替え)を調査した。
 県内住宅地113地点の平均価格(1平方㍍当たり)は4万6500円で、対前年平均変動率はマイナス4.7%。市町別平均価格の最高は和歌山市の6万1300円(マイナス3.9%)、最低はすさみ町の1万8800円(マイナス5.5%)。巨大地震の津波被害が懸念される紀南の沿岸部を中心として全体的に下落傾向は続いているが、和歌山市東高松4丁目216番5「東高松4―1―21」が10万8000円で横ばい、田辺市の市街地に隣接する高台の南新万1125番64「南新万2―6」は8万100円で唯一、5年ぶりの上昇地点となり、前年比プラス2.7%の回復をみせた。
 県内商業地60地点の平均は8万6600円(マイナス4.4%)、工業地3地点の平均は2万5300円(マイナス7.2%)、宅地見込地1地点(和歌山市梅原)は1万3600円(マイナス4.9%)。
 日高地方は昨年と同じく、御坊、美浜、由良、みなべの4市町で計15の標準地を調査。最高価格は、商業地が御坊市湯川町財部字受持之本831番3外(エバグリーン前のテナントハウス)で7万1700円(マイナス4.5%)、住宅地がみなべ町北道字西里中251番(JR南部駅西約400㍍)で4万1400円(マイナス5.9%)となっている。
 このほかの日高地方各調査地点の価格(カッコ内は下落率)は次の通り。
 御坊市《住宅地》島字籠田151番6=4万1100円(6.4%)▽湯川町富安字小谷2197番14=2万6700円(7%)▽湯川町小松原字中ノ坪198番1=3万9000円(6.7%)《商業地》薗字桃之木232番4=5万8000円(6.5%)
 美浜町《住宅地》田井字釜井戸285番3=3万5400円(5.9%)▽吉原字大松原1090番18=2万8000円(5.1%)《商業地》田井字番留566番1=4万7300円(6.2%)
 由良町《住宅地》阿戸字木場坪1001番18=3万600円(5%)▽里字野手845番4=2万4500円(5%)《商業地》里字吉路437番2外=3万3900円(7.1%)
 みなべ町《住宅地》芝字芝添670番1=4万600円(5.1%)《商業地》芝字松原446番7=5万4500円(6.2%)▽徳蔵字白田156番4外=4万1200円(6.4%)