日高川町、川辺西小学校(釈野靖仁校長)で、「卒業桜」と呼ばれる早咲きのクローン桜が4日、開花した。
 学校には、矢田尋常高等小学校時代の昭和13年に児童らが卒業記念に植樹した卒業桜があり、長年にわたり卒業シーズンを彩る花として地域の人に親しまれている。高齢で衰弱が著しいことから県農林水産総合技術センター林業試験場が「後継樹を育てたい」と12年前からクローン苗を育成、苗木に育て平成15年の卒業生が記念植樹した。3年間は葉をつけただけだったが、6年前に初めて開花。以来、順調に花を増やしている。ことしの開花時期は例年並みで、ぽかぽか陽気となったこの日、一気に10輪ほど花を咲かせた。枝の至るところにつぼみがあり、美しくかれんな姿となって子どもたちを見守り、21日の卒業式を彩る。昨年まで約50輪の花をつけた母樹は、衰弱が激しく花を咲かせない可能性が高い。