イラン・イラク戦争中の昭和60年、 イランの首都テヘランに取り残された日本人を特別機で救出した元トルコ航空機長のオルハン・スヨルジュ氏が先月25日 (日本時間)、 イスタンブール市内で亡くなっていたことが分かった。 87歳。 仁坂吉伸知事は1日、 「エルトゥールル号事故の舞台である和歌山の知事として、 故人の功績を次世代へと語り継ぎ、 両国の友好親善がさらに深まるよう努力することを誓うとともに、 ご冥福を心よりお祈り申し上げます」 と追悼のコメントを出した。
 明治23年に串本沖で起きたトルコ軍艦エルトゥールル号の遭難事故では、 町民が総出で乗組員69人を救出。 イ・イ戦争で日本人がイランに取り残された際、 トルコ政府がこの約100年前の日本人の恩義に報いるため、 日本人救出用の特別機を派遣し、 スヨルジュさんは第一機長として操縦桿を握った。 その功績により、 平成18年に旭日小綬章を受章。 2年前には串本を訪れ、 遭難慰霊碑への献花も行った。